魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第8期4日目 高低差4000環境論②

日時:令和元年9月25日(水)14:00〜17:00
場所:魚津市役所 第1会議室

魚津三太郎塾第8期の4日目が開講。高低差4000環境論として魚津・富山の自然環境とその中に生息する“さかな”から魚津の水循環の魅力や魚津の生物多様性・生態系について学び,これまでの魚津三太郎塾修了生の事業事例から環境と経済(自社課題の解決)を両立させた事業展開の紹介を受けてグループ討議をおこなった。

4日目講義①
高低差4000環境論② “さかな”と水循環 「富山のさかな」

講師:魚津市企画政策課 伊串祐紀氏
4日目 高低差4000環境論②

富山の地形について標高約3000m級の北アルプス立山連峰から水深約1000mの富山湾を有する高低差4000mが水平距離50kmのエリアに存在する世界でも希有な地形であると話し,特に魚津の自然環境は,毛勝三山などの2400m級の山々から流れる片貝川が注ぎ込み岸近くから急に深くなった地形となり,水平距離25kmの範囲で水循環が完結していると紹介。富山の様々な自然環境とそこに生息する魚類について説明。

県東部の急流河川や県西部の緩流河川,ダム湖や湧水,湾処,河口,田んぼ,海辺の砂浜や岩場,アマモ場やガラモ場,港や深海底などさかなたちが棲む環境を説明。富山湾の地形について最大水深1250mで大陸棚が発達していない急深な地形で,断面図にすると沿岸表層水,対馬暖流水,日本海固有水の層をなすと説明。

日本海に分布する魚類約800種のうち富山湾には約500種が生息すると話し,富山湾表層部から深場,深海に生息する魚を紹介。一生を富山湾で過ごす魚や定期的にやってくる魚,偶然やってきた魚の紹介や富山湾に棲む馴染み深い様々な魚について解説し,富山湾の魚はまだまだ謎が多いと話した。また富山県のさかなに指定されている「ブリ」「ホタルイカ」「シラエビ」「ベニズワイガニ」について説明。富山湾の深海魚の代表「ゲンゲ」についても紹介した。 

質疑応答

参加塾生から講師へ講義内容についての質疑応答がおこなわれた。富山湾断面の暖流と深層水の境についてや,ベニズワイガニの産地の違いやカニの種類,漁場についてなどの質問がだされ,講師から詳しい解説を受けた。

4日目講義②
魚津三太郎塾修了生の事例

講師:魚津市企画政策課 伊串祐紀氏
4日目 高低差4000環境論②ディスカッション

魚津三太郎塾第1期塾生として参加した当時を振り返り,魚津水族館学芸員として自身が事業提案したプロジェクトのロジックや背景を当時制作したポスターを示し,水族館内での田んぼの生物多様性コーナー設置までの経緯を説明。また,ピックアップした11名の修了生の事例を修了式でプレゼンしたポスターで紹介し,その後の事業展開や拡がりについて紹介説明した。

4日目ディスカッション

テーマ
・講義で紹介された修了生事例一つ選んで感想
・あなたの企業が変われば,魚津(富山)が変わると考えられますか?

今回の講義内容を受けての個人ワークとして約10分間,各自の考えや議論のポイントをワークシートに記入。記入後7名塾生は2班に分かれ塾生間でグループディスカッションをおこなった。

各班には今回講師の伊串氏と事務局の宮本氏がそれぞれはいり議論を深めた。講義で紹介された修了生事例の中から塾生が気になったことや興味を抱いた内容についてグループ内で発表して各塾生間で意見・考えを共有し自社がどう変われば,地域がどのように変わると考えられるかの討議を約30分間おこなった。討議終了後,塾生一人一人が全体の前で発表をおこない,個々が選んだ修了生の事業について感想や課題解決への共感や疑問を自身の課題に照らし合わせて端的に話した。